今回は、「幸せ」について紹介します。
- 人はなぜ悩むのか知りたい
- トラウマを克服したい
- 人付き合い苦痛
- 幸福になる方法を知りたい
- 不幸になる事を避けたい
人間は人付き合いが苦痛になったり、トラウマを抱えたり、様々な悩みを持ちます。
これは人間である以上避ける事の出来ない事ですが、反対に全ての悩みの原因は対人関係にあると言います。
アドラー心理学を基に、その対人関係の考え方が理解出来れば、悩みが消えて幸福な人生を歩む事が出来ます。
参考書籍:嫌われる勇気
書籍情報
<書籍情報>
嫌われる勇気
*著者:岸見一郎
古賀史健
*発行:ダイヤモンド社
*画像引用:Kindle
【はじめに】
世界はシンプル
世界はとてもシンプルです。
お金、仕事、家庭、様々な価値観やライフスタイルがある中で、自分の好き嫌いや過去のトラウマ等が絡み合い、世界はとても複雑なものと思いがちですが、実は、自分自信が勝手に複雑にしており、勝手に不幸な道に進むシナリオを作ってしまいます。
しかし、幸福は誰でもいつからでも手に入れる事が出来ます。
どうすれば良いかというと、全ては自分自身の主観の問題で、簡単に言えば「考え方」次第という事です。
悩む理由、行動出来ない理由、自分自身がわからなく理由等々、人間の考え方を理解する事が出来れば、心がスーッと軽くなり、幸福な気持ちが生まれ、人生が楽しくなると思います。
是非一緒に学んでいきましょう。
【3つのまなび】
まなびを3つにわけてみたぞ!!
1.悩む理由、それは全て他人との比較
赤ちゃんは、無力な状態で産まれてきて、周りの大人達を見ながら、自分も立ちたい、喋りたいと、どんどん成長していきます。
出来る様になると、「優越感」が生まれ、周りが出来ているのに思い通りにいかない場合は、「劣等感」が生まれます。
「劣等感」が生まれると、それを脱却する為に頑張ろうとしますが、どうしてもうまくいかないと、出来ないのに出来るフリをして、偽りの「優越感」を持つようになります。
この劣等感は、自分が勝手に人と比較して生まれた「主観的な解釈」であり、「客観的な事実」ではありません。
自分が勝手に悩んでいるだけで、言い換えると自分の考え方次第で、どうにでも出来るという事です。
そんな人間の悩みについて、更に3段階で掘り下げていきます。
①自ら競争を挑んでしまう時
いつも誰かと競争をしようとする人がいます。
勝ち負けにこだわり、どうにか自分が上に立ちたいと思ってしまい、様々な事で勝負を持ちかけます。
結論からいうと、「競争しているうちは、幸せにはなりません。」
勝ってる時は抜かれないか不安になり、負けている時は敗北感を感じるが認める事が出来ない。そして、全ての人を敵とみなしてしまい、他者が幸福になると自分の負けと思い、不幸から逃げる事が出来なくなります。
解決策は、相手を仲間と思い、競争しないことです。
結局、自分が勝手に競争しているだけで、他人は何とも思っていません。
鏡を見る度に髪のセットが気になる人をよく見かけますが、結局気にしているのは本人だけ。所詮そんなものだと思います。
②競争を申し込まれる時
罵倒されて競争を申し込まれる時もあります。これは、権力争いをして自分より上に立ちたいひとからの挑戦状です。
結論は、「気にしない。勝負するだけ無駄。」です。
もし勝ったところで、相手は復讐を考えて終わる事はありません。
注意点は、我慢しないことです。我慢する行為は、勝ち負けを前提としているので、まず争いから避ける事を考えましょう。
自分より上に立ちたいと怒りをぶつけてくるタイプもいますが、『怒り』というのは、相手に理解してもらいたい時に使う1つの『手段』なので、言い換えるとそれしか出来ない無能な人です。
カッとなってそのまま感情で進み、怒りでしかコミュニケーションがとれないのです。順番でいうと、以下の流れですね。
自分が正しい⇒相手が間違い⇒勝って自分が正しいと伝えたい⇒権力争い
こんな時は、潔く負けを認めてあげましょう。
負けを認める事は悪い事ではなく、無駄な権力争いから降りるだけで、負ける事全てが悪い事ではありません。
③結局、悩みの全ては対人関係
結局のところ、悩みの全ては対人関係ということです。言い換えると、幸福になるかどうかも対人関係で決まります。それも自分の考え方次第です。
自分の人生の主人公は自分です。しかし、世界の中でみると一部に過ぎません。そのギャップを理解する事が大切です。
解決策の結論は、「自分と他人の課題を分離する事。」です。
『褒めて欲しい』とか、『嫌われたくない』とか、自分がコントロール出来るものではなく、全ては他人が決める事です。他人に嫌われないように行動するのは、自分の課題ですが、それを見て嫌うかどうかは他人の課題です。
嫌われるような行動をしろと言うわけではなく、嫌われる事を恐れても意味が無いということです。褒められようとする行為も同様で、他人の課題に介入するからこじれていきます。
また、褒めるとか嫌うとかそのものが、『相手を評価』する事でもあります。評価するということは、相手より自分が上の立場であり、縦の関係を作ろうとしています。良いか悪いかの評価なんて、自分の物差しにすぎません。
大切な事は、人を評価するのではなく、感謝する事。感謝は、友達や同僚の様な横の繋がりの時に出てくる物で、争いの無いものです。
感謝されると、他者に貢献できたと感じ、自分に価値を感じます。そして、共同体の中で自分が有益だと感じ勇気に繋がります。
以上の様な、他人と自分との割り切り方が、悩みを消すポイントとなります。
2.行動出来ないのは、自分で言い訳を作っている
人は様々な経験を積みながら人生を歩んで行きます。良い経験も悪い経験ももちろんあり、過去があるからこそ未来がある。そんな風に思われがちですが、本当にそうでしょうか。
過去があって未来が決まるのなら、悪い過去がある人は、もう明るい未来はこないことになります。そんな事を言っていたらもう誰も変われなくなります。
様々な『目的』があり、ワクワクやドキドキするという『感情』を手段にしながら新しい未来を作っていると思います。
しかし、一方で未来の為の努力や我慢は人生の嘘になりかねません。時が来れば自分も成功する。そんな言い訳をしながら生きていく事になってしまいます。
過去や未来ばかり考えても何も変わりません。決めるのは昨日でも明日でもなく、『今、ここ』です。
様々な言い訳を脱却する為に、以下も参考にして下さい。
①トラウマも自分で作って利用している
『私は、○○がトラウマだから出来ない』とよく聞く言葉です。
これは、自分の短所を作り上げ、”トラウマ”という言葉を利用して怖い物から逃げているだけです。
ある女性が、赤面症のせいで好きな人に告白が出来ないと言います。それは、赤面症を利用して、ふられるかもしれない恐怖から逃げているだけです。
赤面症さえ治れば何でも出来る。自分にはまだ可能性がある。そう思い込みたいだけで、自分の短所だと思っている部分は、実は自分が利用しているだけなのです。
他の例でも、自分は性格が悪いから対人関係がうまくいかないんだと言っている人は、対人関係で深い傷を負いたくないので、自ら自分は性格が悪いと言って、人と深い関係になるのを恐れています。
この『性格の悪さ』という短所を勝手に作り上げて、これさえ無ければ・・・と言い訳をしているだけです。
②対人関係がある以上、傷付くし傷付ける
虐待やいじめを受けて、家に引きこもってしまう人達が現実的にいます。しかし、虐待やいじめを受けた人が全員引きこもる訳ではありません。
引きこもる人は、外に出たくないという『目的』を作り出し、『不安』という手段を作って引きこもりを達成しています。
人と接する以上は、大なり小なり傷付けあうものです。それが嫌なら、宇宙で一人で生活するしか方法はありません。
全ての悩みは、対人関係からくるものです。
その現実を理解して、うまく付き合っていくしかないです。
③人は変わりたいと言うくせに変われない
大人になってある程度自分の性格もわかってきて、得意な事、不得意な事も理解が出来ていきます。自分の性格は、周囲の環境や影響により10歳くらいの時にある程度完成されると言います。
しかし、別に決まった訳ではなく、いつでも変える事が出来ます。今更変われないという人は、今のままが楽なだけで、変わる事に不安を感じているだけです。
変わりたいなら変われば良い。
とてもシンプルですが、変わろうと思えば変われます。
あの人みたいになりたい。そう思っている時点で、何かの言い訳を探しています。
やれない理由ばかり探しているのはつらい事で、とりあえずチャレンジして、やってダメなら別の方法で再チャレンジしてみれば良いだけで、とてもシンプルです。
何があっても自分の責任、身から出た錆。という厳しい話ではなく、トラウマも環境も気にせず、これまでの人生何があったとしても、今後の人生どう生きるかについて、何の影響もないということです。
3.幸せになる為に、割り切る事
幸福な人生を歩む為に、良い大学に入って、良い企業に入って・・・と自分の人生の計画を立てる方も多いと思います。
計画自体はもちろん良いことですが、計画的な人生が必要か不必要かを考える前に、計画的な人生など不可能であるという考え方も必要です。
自分の思い通りの人生なんてあり得ません。そして、思い通りにならなくて落ち込むより、思い通りになんてならないと割り切って今を真剣に生きればいいのです。
勉強も仕事もその都度真剣にすれば、常に完結している状態になります。
過度に落ち込まず、幸福になるための割り切り方を3つご紹介します。
①3つのサイクル
幸福感を高めるには、下の3つのサイクルがポイントとなります。
1.自己受容 ~自分の事を理解する~
・自分には、自力で変えられるものと、どうやっても変えられないものがあります。
・変えられないものは受容(肯定的に諦め)し、変えられるものに注力しましょう。2.他者信頼 ~他者を無条件で信頼する~
・信用は条件付き、信頼は無条件
・信頼の反対は「懐疑」。信頼出来ないと深い関係は築けない。
・裏切られても信頼し続ける事で、相手は背を向けられなくなる。
・裏切るかどうかは、相手が決めること。また、そんな相手と付き合う必要はない。3.他者貢献 ~他者に貢献し、所属感を得る~
・人は共同体の中で貢献すると、自分の価値を感じる。
※本書引用
・自己犠牲や偽善はNG。社会に過度に適応している。
・何も役に立っていないと不安になる。
以上の様に、自分の性格を理解し、相手を信頼し、自分が出来る事で貢献をしていくと、自分も幸福になり、相手も幸福になります。
一番大事なのは、自分が出来る事で貢献する。貢献すると自分に価値を感じて幸福になる。
出来ない事は出来ない、仲良くなれない人とは無理に仲良くしない。こんな割り切り方をした方が楽に生きられます。
②広い視野で見る
世界の中で自分は一部というお話をしましたが、皆さんも沢山の人に囲まれながら生活していると思います。
そこで、周囲から自分はどう思われるかについててですが、ざっくりいうと、
10人いれば、1人に嫌われ、2人に好かれ、7人はどうでもいい。そんな程度です。
この嫌われた1人が全てだと思い込むのは、一部を見て世界の全てがこうなんだと思い込むタイプの人です。
そして7人はどうでも良いと思っており、深く考えずに付き合っている人も多いと思います。当然自分自身もそうではないでしょうか。
一番重要なのは、自分の事を好いてくれる2人を大切にする事です。
社会は、家庭・地域・会社・学校・趣味等々、あらゆる環境があり、1つ1つの共同体はほんの一部に過ぎません。
全てを大切にするのは不可能ですし、自分の事を意識している人もほんの一部です。広い視点で見ながら大事にする部分を見極めましょう。
③人間にとって最大の不幸は、自分を好きになれない事
結局のところ、貢献しようが何しようが相手にどう思われたかなんてわかりません。最終的な結論は、『主観的な貢献感』、言い換えると『自己満足の高さ』が幸福になれるかどうかのポイントです。
承認欲求ありきの貢献感は、結局他者に依存してしまうので、自由度が低くなります。何か相手に特別な事をしようとするから問題が起きるので、『普通』で良いのです。
『特別』という肩書きが欲しい為、特別良いことをしようとし、失敗した時は、反対に特別に悪い事をしてしまいます。
また、『普通=無能』と考え、普通より特別になりたいと思ってしまいますが、わざわざ自らの優越性を誇示する必要などありません。
特別な人になろうと目標を立てる事は悪い事ではありませんが、ゴールにたどりつくまで完成されない事になります。また、ゴールにたどりつけるかもわからないですし、そもそもゴールとは何かもわかりません。
人生をスタートからゴールまでの『線』で繋ぐのではなく、今を真剣に生きる『点』の繰り返しと考えた方が、充実した人生が味わえるのではないでしょうか。
まとめ
簡単におさらい
- 悩む理由は、劣等感と優越感
- 全ては対人関係に繋がる
- 行動出来ないのは、自分で言い訳を作っている
- 自己受容、他者信頼、他者貢献
- 割り切る視点を持つ
ということで、今回は、
「【アドラー心理学】幸福とは、自分を理解して割り切る勇気」
についてでした。