今回は、「将来に向けた働き方」について紹介します。
- 日本とアメリカの働き方の違い
- 2040年までの働き方の変化
- 2,30代の働き方の道筋
- 仕事に困らない為の準備
- 生涯現役時代の準備
日本は、年功序列と終身雇用の限界を迎え、今後はアメリカの様なジョブ型に移行されていきます。
しかし、会社員として普通に働いていると、その波を感じにくいですが、年々確実に変化をしています。
気付いた時には手遅れだったとならないように、働き方の道筋を立てて、将来の為に学びましょう。
参考書籍:2040年「仕事とキャリア」年表
書籍情報
<書籍情報>
2040年「仕事とキャリア」年表
*著者:植田 統
*発行:株式会社三笠書房
*画像引用:Kindle
【はじめに】
働き方ワードの整理
まず始めに、働き方について様々な言葉が飛び出しますので、念の為おさらいしておきましょう。
- 『年功序列』
年齢や勤続年数に応じて、役職・賃金を上昇させる人事制度。 - 『終身雇用』
採用した従業員を企業が定年まで雇用する人事制度。 - 『メンバーシップ型』
人材を確保し、後から仕事を割り当てる雇用のあり方。
様々な職種を経験させて、長期的に育成していく。 - 『ジョブ型』
企業があらかじめ定義した職務記述書に基づき、必要な人材を採用する制度。 - 『スペシャリスト』
特定分野において深い専門知識やスキル、経験を持つ - ジェネラリスト
広範囲にわたる知識や経験を持つ人材
日本のサラリーマンは消滅する!?
唐突なタイトルをかかげてしまいましたが、冗談ではなく、今後の働き方を予測していくと、20年後には、日本のサラリーマンは消滅するのではないかという予測となります。
サラリーマンの現状と将来について
まず、現在の正社員の平均年齢は40代です。
世の中で活躍するサラリーマンは、40代が多いというのは、感覚的に納得も出来ます。就職氷河期を乗り越えた、とても強い方々が現役として活動しています。
しかし、今後はそのまま高齢化していくのは当然で、避けられない事実です。
ずっとメンバーシップ型で働いてきており、その考え方を変えるというのは難しく、年功序列で順番に役職がついていき、その下で働く2,30代はなかなか順番が回ってきません。
また、新しく入ってくる新入社員は、コロナや円安・物価高の影響で業績悪化する会社を目の当たりにしながら就職活動をしてきており、安定志向という考え方が少なく、メンバーシップ型より成果主義のジョブ型の会社へ転職していきます。
現在の2,30代はその変化に取り残されてしまう世代の可能性があります。
その変化はじわじわとやってきており、気付いた時には手遅れだったとならないように、今後変化する日本の働き方を理解し、対応出来るスキルを持つ事が重要となりそうです。
【3つのまなび】
まなびを3つにわけてみたぞ!!
①なぜ、日本の働き方が終わりを迎えるのか
メンバーシップ型の末路
メンバーシップ型の働き方は、スペシャリストよりはジェネラリストを育てる環境にあります。1つの会社で2,3年ごとに異動し、そこそこの部署で経験を積み、会社内でのスキルを磨きます。
他部署と波風立てず調整出来るタイプが優秀な人となるので、多くの部署を経験している人が有利となり、好まれるタイプは、会社になじんでくれそうな温和なタイプ、そして愛社精神がある人となります。
しかし、現実のほとんどは仕事が出来る人も出来ない人も、どんな学歴やスキルがあっても無くても、入社年数や年齢によって給料が一律で決まり、年功序列方式で昇給が決まります。また、評価される人は、どれだけ会社に貢献したか。どれだけメンバーらしさを発揮したかという点に絞られます。
最終的には、60歳前後で体力も無くなり生産性も落ちてくるので、年功序列の上限を迎え、定年という強制解雇の仕組みでサラリーマン生活が終了します。
ジョブ型への移行
以上がメンバーシップ型の働き方ですが、会社内ではジェネラリストとして成長していても、他社で通用するスキルを考えていません。なので、転職を思い立っても、自分のアピールがうまく出来ず、また1年生から年収ダウンの再スタートとなってしまいます。
年功序列と終身雇用が維持出来ないとされる今の日本企業において、そんな働き方では、日本全体の経済成長が見込めないということで、アメリカ式のジョブ型雇用が注目され、大企業を始め少しずつ取り入れられてきています。
また、以下2点については、今後の働き方の課題ですが、ジョブ型ととても相性が良いといえます。
1.リモートワークについて
コロナウイルス感染拡大により一気に浸透した働き方ですが、問題点は成果の管理が難しくなった点です。
管理職の立場では、部下の成果を管理する必要がありますが、対面出来ない為、どうしてもサボっていないかどうかが不安になる事があります。
そこで、ジョブ型であれば、報酬は業務成果によって決まるので、各個人が責任を持って業務にあたる様になります。
また、管理については、1on1ミーティングや、上司・部下・同僚から評価してもらう360度評価というのもあり、新しい時代に向けて様々な取り組みが進んでいます。
そして、現代の若者もこちらを好む傾向があります。
2.高齢者の雇用について
高齢化する世の中で、60代で定年という強制解雇を受けた後、その後も働き続けるという人がほとんどという時代が目の前まできています。人生100年時代というくらいなので、60代でもまだ人生残り4割程あります。
しかし、定年の年齢を引き上げようとすると、終身雇用と年功序列が付きまとい、能力が落ちてきている高齢者の解雇も出来ないし、昇給し続けていかないといけません。また、60代でも能力の個人差はとても大きいので、ひとくくりに出来る問題ではありません。
そこで、ジョブ型雇用であれば、各個人に合わせて、能力に応じた報酬を支払う事が可能となります。スキルさえあれば、生涯現役で働き続ける事が出来るという事ですね。
②今後の働き方の変化
1.安定志向が無くなる
現代の子ども達は、日本企業は成長どころか衰退しているという現実を、当たり前の様に聞きながら育ってきているので、そもそも安定した会社で勤めようという感覚はなく、自分のスキルで生きていこうと考えます。
失われる職種も多く、石橋を叩いて渡ろうにも、石橋すら無い状態かもしれません。また、新しく生まれる職種も多く、転職を繰り返しながらスキル向上を求め、プロフェッショナル志向となります。
拘束時間が長く、給料も低く成長しない会社は、居心地が悪く離れていく一方で、外資系コンサル企業等が人気となります。また、自ら起業する人も増えていくと考えられます。
2.高齢化する
上述した通り、現在、高齢化社会に突入しており、ピークに向かって突き進んでいる途中です。
日本人は貯金が好きと言われていますが、現金を保管していても、インフレが進み、価値が目減りしていきます。また、年金も下がっていく可能性が大きいので、70代になっても働き続ける人が増えていきます。
若者達は、良い会社を探して転職していき、残ったのは技術革新についていけない高齢者達。そして、若手社員も高齢化していき、その会社はどんどん売上が下がっていきます。
3.女性、外国人の経営者が増える
新しく生まれる職種は、外資系若しくは外資系をビジネスモデルとした企業が多くなっていきます。
海外で働いている外国人を役員として迎え入れる企業も多くなっていますが、当然メンバーシップ型には否定的な為、ジョブ型に移行していきます。また、英語を日常的に使うシーンも増えていくでしょう。
そこで、女性はジョブ型志向が多く、外国語が得意な傾向もあるため、女性経営者も増えていくと考えられます。
③生涯現役で働く為の準備
1.自分のキャリア・ビジョンを描く
時代はこれからも変わっていきます。新型コロナウイルスの様な感染症で突然世界が変わったように、何が起きるかわかりません。
なので、ビジョンを思い描いた上で、その時その時を一所懸命にやり、他にやりたい事が出来れば、潔く切り上げていけば良いです。
試行錯誤の連続ですし、ビジョンは変わっていくもので構いません。
なりたい職種、いきたい業種を見つけたら、希望を出すと同時に資格の勉強をする等、同時進行くらいのスピードでOK!!
どんどん挑戦していきましょう。
2.マインドチェンジ
この記事で何度もお伝えしていますが、今後はジョブ型に移行します。
今のままでも良いかとのんびりしていると、今の2,30代は、50代くらいで仕事が無くなるか、もしくはグループ会社や下請会社に出向し、給料が下がる事になるかもしれません。また、その状況においても抵抗する事が出来ず、辞令に従うだけの人間になりかねません。
これからは、指示待ちで余計な事を言わない人はやっていけません。
自分の判断で仕事を進め、成果を出していく人材が求められます。
うまくいかないとクビになる可能性もありますが、そんな事気にしません。次々と挑戦していけば良いのです。そもそも、クビが怖いという考え方が、終身雇用に守られている会社員マインドの特徴です。
打たれ強い免疫力を付けていけば、自然とスキルを高める行動に移せます。
3.自己投資も積極的に
スキルを高めるには、当然勉強が必要となります。
『リスキリング(学び直し)』なんていう言葉を最近よく耳にしますが、サラリーマンでも大学院や週末に大学の授業を受ける人も増えてきています。
また英語も重要となってきます。翻訳機も発展していきますが、ロジックや文化、感情を伝える事は難しいでしょう。
自分自身の強みをアピールしていく必要があるので、伝える力を養い、語学力も大切なスキルとなっていきます。
まとめ
簡単におさらい
- 日本の働き方の変化を理解する
- ジョブ型移行に備える
ということで、今回は、
「20代、30代必見!!生涯現役に備えた働き方改革!!」
についてでした。